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セブンカラーズ

『セブンカラーズ』第一章:第八話(狂気の現場)

 約束が与える影響というのは、自分が想像していたよりも大きいらしい。 「明日一緒に学祭を回る」たったこれだけの約束なのに、俄然やる気が湧いてきた。やる気が湧いてきたという事は、自然と家路を歩く足も速くなるというものだ。普段は5分程か...
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『セブンカラーズ』第一章:第七話(指切りげんまん)

「えーであるから。イギリスから始まった産業革命をきっかけに……」 今は世界史の時間。周囲の生徒は教壇から発せられる強烈な眠気に必死で抗っている。隣の席に座っている慎吾は早い段階で眠りの世界へ旅立ってしまったが。  周囲は眠気と戦って...
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『セブンカラーズ』第一章:第六話(取引)

 普段とは別の方向へスタスタ歩いていくクロウに付いていくこと約10分。こちら側は海翔の最寄り駅から離れていく方の為、閑静な住宅街が広がっている。 「ねぇ、クロウさっきからどこへ行ってるの?」 「もう少しだ。……。止まれ、海翔」...
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『セブンカラーズ』第一章:第五話(粗暴な兄貴)

 昨日死んだように眠った海翔だったが、今朝は何の問題もなくいつも通りの時間に目が覚めた。案外図太い自分の神経に驚きつつも、リビングへ降りる。 「おはよう、母さん」  いつも通りリビングへ入る。いつも通りの朝食と、いつも通り忙し...
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『セブンカラーズ』第一章:第四話(これから)

 夜の路地の視線を一点に集めながら海翔達は帰宅した。母親とかち合ったら面倒だが、この時間はまだ仕事のはずなので家にはいないはずだ。というかそうであって欲しい。  おそるおそるドアを開ける。家の中は真っ暗だ。どうやら母親はまだ帰宅して...
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『セブンカラーズ』第一章:第三話(契約)

 丁字路で詩織と別れた海翔は路地を1人歩いていた。住宅街の中を格子状に広がるこの路地は、普段から人気が少ないのだが最近は特に少ない。海翔がよく買い物をするコンビニはこの近辺では有名な不良の溜まり場なのだが、最近は不良が溜まることも無くなっ...
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『セブンカラーズ』第一章:第二話(性分)

 今日の授業を1通り終え、今は放課後の時間。外からは運動部の活気の良い声が聞こえてくる。そんな声を尻目に僕は、1人教室に残り学祭の準備をしている。  今年の僕たちのクラス発表は、メルヘンな森の中。メルヘンな森を見たことがないので想像...
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『セブンカラーズ』第一章:第一話(いつもの朝)

 「—! 絶対に―! だから―!」 「ああ、待ってる、海翔!」  夢を見ていた気がする。どんな夢だったか詳しくは覚えてはいないけれどずっと誰かを追いかけ続けている夢。その背中は追いかければ追いかける程どんどん離れていって、次第にその...
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『セブンカラーズ』プロローグ(天使)

 白。白以外の色が消えてしまったのではと錯覚してしまいそうな程、どこまでも白い空間である。ここは神の間。神がいるからそう呼ばれるのか。神がそう呼べと命令したからそうなのか、今や誰も分かりはしないが、ここは神の間なのである。  少しの...